みなかみ地域エネルギー推進協議会のこと

 みなかみ地域エネルギー推進協議会が、2013年9月25日設立された。町外からの出席者も含めて、60名を超える設立総会となり関心の高さ示した。会長には社会福祉協議会長を選出して、町との関係に配慮した体制になった。発電所はみなかみ町新治地区に建設を予定しているが、同地区の町議6人中4人が会員になっている。金融機関も2行、郵便局2局を含め地元全社加入してくれた。

 一人の局長の言葉がうれしい。「やろうとしていることはいいことだと思うし、河合さんは間違ったことをしないから」参加しますよ・・・。信頼イコール顔の見える関係と言うのだろう。
 環境問題や自然保護などの活動の場では、主催団体が違っていても参加者はいつも同じということが体験としてある。けれど今回は、あんな人こんな人もと意外な参加者が多数見受けられた。広がりの可能性を感じる。「反対だけじゃだめだよね、こういう風に対案を示さなければ」と言って参加した女性は、「声なき民」が声を上げ始めたと言えるのかも知れない。
 記念シンポジウムは、北海道下川町環境未来都市推進グループリーダの仲埜公平氏が「しもかわ森林バイオマス産業戦略~森林のぬくもりが未来のしごとを育む~」のテーマで講演した。参加者の熱心な質問や議論が醸し出す雰囲気は、一年半前の「エネルギーから経済を考える経会者ネットワーク会議」設立総会を思い出させた。「りゅういき」が目指す方向を示唆した運命的な人物、竹林さんと出逢った場所だ。今年1月25日に全国から140名も参加して開かれた「バイオマス発電事業化促進フォーラム」(市民キャビネット農都部会、バイオマス発電事業化促進ワーキンググループ主催)の実現にも尽力した竹林さんが示した方向は「コージェネ(電熱併給)と小さなシステム」だ。熱利用が利益の分岐点になると教えてくれたのだ。
 下川町での取り組みは木質ボイラー導入によるエネルギー転換が一つの柱で、ここでも熱が主役だ。先日NHKテレビで放映され反響を呼んだ新潟市の「さいかい産業」の取り組みは、ペレットストーブの普及が地域経済の発展に大きく貢献していることを教えてくれた。また、開発隊長の肩書の古川取締役は、一般家庭のエネルギーは熱で3分の2は賄えるので原発も不要になるのだと筆者に直接話してくれた。
今月25日~26日の日程で行われる「バイオマスツアー真庭」に参加予定だが、ペレットの製造やの農業施設でのペレットボイラー利用など、みなかみでのお手本になるような視察先が組み込まれているのでとても楽しみだ。筆者の本業は建築なので、木材のカスケード利用を実践している銘建工業や、勝山町並み保存地区もツアーに入っているのもうれしい。(20140415河合純男)「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」メルマガ2月号掲載記事
(20190411加筆)