変わる?変わらない?→変える

最近建設業界にもようやく変化が訪れてきたようだ。メーカーが直接弊社に接触してくることが増えてきたのもその現れだろう。大手サッシメーカーの営業担当者はZEHビルダーに登録しているので訪問したという。早速前から興味があった窓の性能の違いを空間で体感できるショールームの予約をお願いした。3大バス・キッチンメーカーの1社は時短の流れの中、メーカーも工務店を選択する時代だという。バレンタインのプレゼントもその現れ?(笑い)。高度経済成長やバブルの恩恵・人口ボーナスのみで成長してきた企業の淘汰が加速するだろう。小水力の取り組みをリポートした著書の中で、その著者はの建設業者が保有している重機をフル活用して事業化した例をあげ地方の建設業者に期待していたが、いかがなものか?首長と関係を築き、予定価格を聞き出し談合で落札業者を決めてきた業界に50年先をみる理念があるとは思えない。特に公共工事に依存してきた土建業者には、再生可能エネルギーを循環型社会構築の中に位置付ける意識すらないだろう。問われるのは機械の保有台数ではなく人の思いの深さである、と信じているので今年は小水力に取り組みたい。
※ 16年前初めて入札に指名された時のことは鮮明に覚えている。行政の説明会の後「この仕事をしたいものは〇〇に集まれ」と業者の1人。仕事をしたいから説明会に来ているのにおかしなことを、と思ってついて行ったら「談合」の場所だった。その場から退席して「辞退届」を提出したのだった。下の写真は現在の電子入札の流れを示したもの。

薪原木入荷しました

来シーズン用の薪の原木(ナラ)が入荷しました。ふるさと納税返礼品としての「無有の薪」は順調に出荷数を伸ばしています。住所がマンションからの注文が沢山あるので、ストーブのみならずバーベキューやキャンプファイヤー用に使っているようです。地場産品という総務省の指導や、赤谷プロジェクト使用限定で日本自然保護協会に1箱につき400円寄付することなどが追い風になっているのかも知れません。しかしAmazonでは苦戦していたので出店を一時見合わせました。HPからのご購入でも寄付をしていますのでで是非ご購入をお願いします。

『よみがえる蔵』全国事例集44選 丸善出版 2012年刊 掲載記事 

モーガン家別荘
日米の文化を尊重した快適な空間(移築再生)
群馬県利根郡昭和村→同県利根郡みなかみ町
設計・施工:㈲建築工房無有

設計者から
建築主のお一人がアメリカ人なので、当初から文化の違いを共有することができるか否かが成功のポイントであると感じていた。設計にあたっては、蔵の外観を損なわず、いかに建築主の望む快適な居住空間を造るかにエネルギーの大半を費やした。
外観を優先したため、内部の間取りに先行して窓の位置と大きさを決定した。壁のバランスを壊さないように同一サイズ・同一の横滑りサッシを等間隔に配置した。窓まわりの縁取りを広く深くしたことで蔵のイメージを再現できたと思う。1階は車庫兼ホビースペース、2階を居住空間にするためには、解体した13尺の柱をそのまま利用したのでは階高が不足してしまう。そこで壁を兼ねる基礎を法律上許される最大高に設定して階高を稼いだ。当然再生前の蔵より高くなったが、「まわりの風景に溶け込んでいる」と建築主から評価していただいてホッとしている。
内部に関しては、別荘利用でも事務所としての活用が多いので、日常生活臭を表に出さないように配慮した。たとえば、キッチンは格子の建具で隠す、トップライトのコントローラーを収納内部に設置する等々。施工では、梁間方向を広げた設計や、屋根部分が傷んでいたため新規に作成したことなどで予想以上の困難な仕事になり、工期が長くなってしまった。しかし、蔵の一つの完成形を示すものができたし、日米それぞれの文化を尊重した造りになったと確信している。(河合純男)