利根川源流からエネルギー革命を!
沖縄のピザ屋さんから2度目の「無有の薪」ナラの注文がありました。「各地の薪を使ってみたけれど、一番火持ちが良いので再度購入します」とのことです。神奈川の古民家(茅葺き)からは、囲炉裏用として利用し「はぜることもなく、火持ちも良かった」とのことで通年購入を検討しているとHP註1から連絡をくれました。
近隣の購入者は薪置き場の看板を見て「軽トラック」で来社される方が多い。「たくみの里」への観光で偶然看板を見つけ、看板を立てた翌日に大口購入者が現れたこともありました。ユネスコエコパーク註2のロゴマークは行政の担当者も「大きくて目立つ」と喜んでくれました。
みなかみ町では町内の森林資源の有効活用の促進等を目的として、4年前から薪ストーブ購入補助金制度がスタートしました。この制度ができてから薪ストーブや薪の販売が急速に増えています。行政との協働が顕著な成果として現れています。
足元の里山で埋もれていた樹木を薪に変えることで、町内だけでなく全国の薪利用者と繋がりができました。一本の樹木から世界が広がります。
註1 http://www.koubou-muu.com 作成の一部はみなかみ町の補助金を利用している。
註2正式名を生物圏保存地域(BR:Biosphere Reserves)といい、1976年(昭和51年)に開始されたユネスコ人間と生物圏(MAB:Man and the Biosphere)計画のプロジェクトの一つで、日本では親しみやすいように「ユネスコエコパーク」と呼ばれています。
河合純男 元みなかみ地域エネルギー推進協議会事務局長
写真キャプション ユネスコエコパークのロゴを入れた
利根川源流からエネルギー革命を!
小水力発電の事業性評価のための渇水期と豊水期の流量データがほぼ出そろいました。月平均では3倍ほどの開きがありました。つまりこのことから、流量の変動が激しい河川なので水車の選定を間違うと発電量に大きな差が出ることが分かります。
一口に水車と言っても、大きく分けてペルトン水車・クロスフロー水車・フランシス水車など8種類に分類されています。それらから河川にあった水車を選ぶには、正確なデータと信頼できる知見が必要です。
発電出力(kW)は、係数(9.8)×落差(m)×流量(㎥/s)×効率で求めます。効率とは水車・発電機や周辺機器などの効率を掛け合わせたものです。この計算によって求められた概算年間発電量は、一般家庭の約300軒分となる100万kWhです。
今後は、流量調査が丸一年になるまでを続行すると同時に詳細設計を行います。地権者や行政・金融機関との折衝も非常に重要な要件です。事業として成功するか否かは、FIT(固定価格買い取り)からFIP(電力市場に売電)に移行する前の23年度にFIT認定を受けられるかどうかにかかっています。
2019年のみなかみ水力電気株式会社設立からもうすぐ2年が経過し、真価が問われる時が来たと言えるでしょう。